※今日の記事は、このブログの8月3日の記事を参考にして読んでいただくと、より理解しやすいと思われます。
ネットで幻覚やドラッグに関する怪しいサイトを徘徊していると、「ハイブリッド」と「ペヨーテ」という言葉の組み合わせを見つけることがあります。これは何事かと思って調べてみたところ、要はサンペドロにペヨーテ(ウバタマ)を接いで栽培するということのようです。
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サボテンを「接ぐ」とは、あるサボテンの上部を切り落とし(台木)、他のサボテン(穂木)を接ぎ合わせて1つのサボテンとして育てることです。なぜそんなことをする必要があるのかというと、斑入りのサボテンや根が弱いために栽培が困難なサボテンを穂木として接ぐことにより、それらのサボテンを台木の力によって成長させるためです。ホームセンターのサボテンコーナーなどで、柱サボテンの上に真っ赤な丸いサボテンが乗っているものを見たことがあるかもしれませんが、アレがまさに接いである状態です。真っ赤なサボテンは葉緑素を持たないため、自力で成長することができません。そのため、柱サボテンに接ぐことによって、柱サボテンの力を借りて生長しているのです。
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では、話を戻して、なぜサンペドロにウバタマを接ぐのかというと、その理由は、ウバタマの成長が極端に遅いためです。ウバタマは1年をかけて直径が1cm 大きくなるかどうかといったサボテンですから、気の短いジャンキーはそんなに待っていられません。そこで、成長の早いサンペドロにウバタマを接いで、ウバタマを促成栽培しようという理屈です。
実は、この理屈は健全な園芸業界でも一般的なもので、柱サボテンに接がれて促成栽培されたウバタマが、普通に販売されています。ただ、この場合はわざわざサンペドロには接ぎません。ジャンキーが台木にサンペドロを選ぶのは、やはりドラッグとしての成分であるメスカリンが大きな理由です。
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ウバタマをサンペドロ以外の台木に接いだ場合、確かにウバタマは台木の力を借りて通常よりも早く大きくなりますが、一方でメスカリンの含有量は落ちてしまいます。園芸品であればメスカリンが薄くても、大きくなりさえすれば全く問題はありませんが、幻覚を目的とするジャンキーにとって、これは大きな問題です。そこで、ウバタマと同じくメスカリンを生産するサンペドロを台木に選ぶことによって、ウバタマのメスカリン含有量を低下させることなく、促成栽培を可能にするというわけです。これがハイブリッド・ペヨーテと呼ばれます。
しかしこのハイブリッド・ペヨーテ、国内、海外問わず、理屈としては目にする機会が多いのですが、実際に接いでみたという記述がなかなか見当たりません。もちろん、いくらインターネットとはいえ、そんなコアな情報が簡単に見つかる場所にあるとは思えませんし、私も特に真剣に探してみたわけではありませんから、実際はどこかに詳細な記述があるのかもしれません。それにしても、都市伝説の類であるような気がしないでもないのです。そもそもジャンキーの間で広がっている話ですから、ただの噂である可能性も否めません。
こんなときは、実際に自分でやってみるに限ります。ウバタマをサンペドロに接木しても、それは別に違法ではないのですから、実際に実験してみれば話が早いわけです。しかし、本来であれば、普通に育てたウバタマと、サンペドロ以外に接いだウバタマ、そしてハイブリッド・ペヨーテの、それぞれのメスカリン含有量を調べなければ実験としては不十分です。ところが日本国内においてはメスカリンを精製することが違法であるため、その検証ができません。最終手段として実際に食してみて効き具合を確かめるという暴挙が残されていますが(サボテンを食べることは合法です)、その方法では、実験者の先入観を排除することが困難ですし、人間の感覚という曖昧な尺度での測定になってしまいますから、結局のところジャン� ��ーの噂話と同レベルの結果になってしまいます。
実にもどかしい思いですが、法は遵守しなければいけません。そこで、せめて、本当にサンペドロにウバタマが接げるのか、そして、接いだら本当に早く大きくなるのか、といった点だけでも検証するために、私は実験を行います。前置きが長くなってしまいましたので、実験の様子は明日以降、記事にしたいと思います。
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