コンピュータネットワーク(英: Computer network)は、複数のコンピュータを接続する技術。または、接続されたシステム全体。情報化社会の基盤をなすため、通信インフラといわれる。
最も初期のネットワークは、メインフレーム (大型汎用機) と専用端末を、独自のケーブルで接続したものである。かつてはメーカーごとに様々な規格のネットワーク技術が開発され、相互接続性の問題が大きかった。現在はインターネットで利用されている技術を利用することが多い。
ネットワークを応用したシステムに、インターネットショッピング、グループウェア、デビットカードなどがある。
LANなどのネットワーク上でのディレクトリをディレクトリ・サービスという。
ネットワークは、ネットワーク階層と呼ばれるもので分類されることがあり、その際には4層のTCP/IP参照モデルを業界標準とする。学界では7層のOSI参照モデルがよく知られているが、多くのネットワークはTCP/IP参照モデルに準拠していると言える。
[編集] 規模による分類
コンピュータネットワークは、その規模によって分類される。LAN (Local Area Network)、WAN (Wide Area Network)、MAN (Metropolitan Area Network)などがある。イーサネットがネットワークへの標準インタフェースとなってきたことから、このような分類はエンドユーザーにはあまり重要ではなくなり、ネットワーク管理者にとってのみ重要となりつつある。ネットワーク管理者は距離に起因する遅延を考慮してネットワークを調整し、必要な Quality of Service (QoS) を達成しなければならない。このときに、ネットワークの規模が重要となる。
Controller Area Network は規模という観点では特殊であり、自動車のエンジン、船舶の電子機器、産業用ロボット群などを対象としたネットワークである。
[編集] Personal Area Network (PAN)
詳細は「Personal Area Network」を参照
Personal Area Network (PAN) は、個人の持つコンピュータ機器間の通信を行うネットワークを意味する。例えば、プリンター、ファクシミリ、電話、PDA、スキャナなどが接続される。PANの典型的な大きさは、せいぜい直径9メートル以内である。
PANの物理的接続にはUSB[1]やFireWireが使われる。無線PAN(WPAN)もあり、IrDAやBluetoothが接続に使われる。
[編集] Local Area Network (LAN)
詳細は「Local Area Network」を参照
個人の家、オフィス、ビルなど、狭い範囲をカバーするネットワークである。現在では、ほとんどのLANはイーサネット技術に基づいている。右図は典型的な図書館のコンピュータネットワークである。図書館には有線や無線のLANがあり、各種機器(プリンターやサーバ)を相互接続すると共に、インターネットにも接続している。
図書館員用のコンピュータ(黄緑部分)はカラープリンターが使え、貸し出し記録にアクセスでき、学術ネットワークとインターネットにもアクセスできる。利用者用コンピュータはインターネットと図書目録にアクセスできる。ワークグループ毎にローカルなプリンターが接続されている。これらプリンタは他のワークグループからはアクセスできない。接続する線の色はサブネットを表しており、各相互接続機器は異なるサブネットを接続しているため、ネットワーク層(第3層)で動作する必要がある。図書館員向けにVoIPネットワークも構築されている。
LAN を WAN (Wide Area Network) と比較すると、データ転送レートは高く、地理的なカバー範囲が狭い。イーサネットは現在では10ギガビット・イーサネットまで存在する。IEEEでは、100ギガビットや40ギガビットの標準化が検討されている。低速な通信路を複数束ねて、高速な転送レートの通信路にする方式として逆マルチプレクサがある。例えば、1ギガビットのインタフェースを4つ束ねて4ギガビットにする。
[編集] Campus Area Network (CAN)
Campus Area Network (CAN) は複数のLANを相互接続したネットワークであり、大学のキャンパス、工場、軍の基地などといった地理的にまとまった領域をカバーする(遠隔地にあるLANの相互接続はCANではない)。MAN (Metropolitan Area Network) の一種と見ることもできるが、典型的なMANよりもカバーする範囲が狭いと言える。
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