家庭での生ゴミ堆肥作りを、バケツ、プランターを使って、ミニプラント運用の発想により行います。
台所の生ゴミ、花壇の剪定くず等を水切りし、EMぼかし、米ぬかを加えてバケツ、プランターと順番に移しながら、堆肥を作ります。完成までを5つの工程に分離して監理し、それぞれの工程単位(バケツ、プランターでの処理、嫌気性と好気性の発酵)をミニプラントとして連続運用することで、季節に関係なく、毎日発生する台所生ゴミを連続受け入れすることができます。臭いと虫の心配なく、鉢土にも使用できる、保存可能な袋入の生ゴミ堆肥ができあがります。電力等の使用はありません。使用するバケツ等も繰り返して使用するので、廃棄� ��は出ません。
生ゴミ堆肥は自分でも作れるだろうかと思われる方、または、これは面倒だと思われる方はプランターのみで簡単に堆肥化を行う簡単堆肥作成のページをご覧ください。
出来上がった生ゴミ堆肥は全量をガーデニングでの自家消費を行っています。
具体的な使用方法、使用による土壌改良効果、生ゴミ焼却処理をしないことによるCO2削減での環境評価等についてはホームに戻り、それぞれのページをご覧ください。
§1.素材の調整
素材の調整及び水切りを行います。
素材は台所の調理くず、ガーデニングでの間引き、剪定くず、花がら等の生ゴミです。適度の大きさ(野菜炒めを作る程度・・)に切断していたほうが、水切りも、以後の堆肥化のための発酵も良好なので、園芸用鋏で切断しています。
使用している容器は、ポット苗を購入したときについてきた格子状のプラスチック箱に、古新聞を敷いたものです。素材を広げて、屋外で乾燥(水切り)します。乾かなければ、それでもかまいません。天日干しでカラカラにするのではなく、不要な水分を、可能であれば削減するという目的です。1〜2日程度乾燥した後、新しい生ゴミの発生に合わせて次の工程に移します。
※ 水切り処理であって、生ゴミ乾燥ではありません。梅雨時等に乾燥は不可能です。乾くまでと思って長期間そのままにしておくと、虫が来て、後で「蛆虫」がぞろぞろと出てくる原因ともなります。堆肥化のための発酵には50%以上の水分が必要とされていることも忘れてはいけません。過剰水分の調整は後でも行います。
※ 卵の殻も、もちろん入れます。未発酵で残っても、堆肥としての使用に障害はありません。長期的には必ず分解されて有益なカルシウム源となります。たまねぎの皮等も除外は行っていません。逆に、調味されたものは、残念ながら塩分低減のため使用していません。塩分は発酵では処理できず残存し、一般的な植物の生育障害を起こします。堆肥としての使用する時に、発酵する時、または堆� ��として使用するときにに問題がないものは除外しないとの考え方です。
※ 楽しませてもらった花壇の花がらも当然に仲間入りです。きれいな花を咲かせてもらうための間引き、剪定等の花壇の手入れ時は、台所ゴミよりも多くなります。大地に帰ってもらうと考えると、安心して刈り込むことができます。小枝等も小さく切っておけば卵のから同様に長期的には土に戻ります。花壇の選定くず等も、そのままではなく、生乾きとしたほうが後の処理は楽なようです。
※ プラスチック箱下に敷いている新聞紙はインクの防虫効果も期待して、あまり古くなる前に取り替えたほうが良いと思います。乾燥していれば過剰水分の吸収もしてくれます。
§2.貯留
発酵剤を加えながら、一定量までたくわえます。
密閉蓋付の堆肥用バケツを使用しています。液抜き用の栓が底についている、ホームセンターで購入したものです。説明書では、発酵が進むと、この栓からEM液が出てくるとなっていますが、そこまでの発酵は行いません。蓋が密閉できるという特徴を臭い防止に利用しています。購入時の名称は忘れたので、以後は「堆肥バケツ」と呼びます。
※ 使用を始めて以来、容器内を洗ったことはありません。数年目から、内側の付着物から、ふっくらとした白カビ自生しています。右写真はふたの内側です。中央部には、盛り上がるように発生しています。一種の「蔵つき酵母」(または土着菌)ではないかと考えています。
このカビは簡単に培養増量ができます。土着菌の培養のページをご覧ください。
空になっている時は底が隠れる程度の枯葉をいれています。容器内が柔らかいにおいとなります。また、後で説明するように、内容物の取出しが容易になります。
水切り(乾燥)させた素材を中に入れ、発酵剤をふりかけて軽くかき混ぜます。発酵剤は市販の粉末EMぼかし、米ぬか、乾いた土を1:2:1程度で使用します。1回当たり両手ですくえる程度、かき混ぜた後、写真のように発酵剤が振りかかって見える程度の量を使用します。素材と発酵剤を均一に混ぜ合わせていた時もありますが、現在は、適度にかき混ぜる程度です。
※ 発酵財として、最初はEMぼかし単体での使用でしたが、最近は価格と肥料成分を考え、米ぬかを多めに混合して使用しています(EMぼかしを省略することもあります)。野菜くずはチッソ分が多いので、米ぬかの使用はカリ分の補給としても有益だと思っています。EMぼかしの単独使用の場合は、発酵剤は少なめになります。土は各種微量要素も含む優れた発酵資材であると考えてます。
※ 置き場所は屋外の直射日光と雨が当たらない場所です。直射日光による不要な加熱と雨による汚れを防ぐためです。蓋が密閉できるので、屋内に置くこともできると思います。
この作業を、バケツが満杯になるまで繰返します。生ゴミ発生量が多いときは、押さえ(足で踏みつけ)て体積を減らすこともあります。蓋を閉め るときは、周辺部を少し開けて中央部を押し、隙間から内部の空気を押し出して密閉します。素材を入れる時のほかは、蓋は密閉です。
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※ 蓋密閉は近所迷惑となる臭いのもれ防止が主目的となります。この段階では発酵していないので、刺激性のあるぬかみそ臭が発生します。副次的な目的としては、空気を遮断することによる発酵準備と、虫の侵入防止があります。EMぼかし、米ぬかは、それ自体で虫の好物のようです。
刺激臭は生ゴミの水分が多いとき等に特に強くなることがあります。この場合は腐敗の可能性があると判断して、乾燥した発酵材を追加します。内部水分の蒸発で蓋が膨らんだ時は、閉める場合と同様にして内圧を抜きます。
堆肥バケツ一杯分が以後での、1回の発酵処理単位となります。一定量まとまったほうが、次の発酵工程以降が良好に進行するようです。堆肥バケツが貯留槽となり、毎日発生する台所ゴミの連続した(リアルタイム)受入が可能となっています。
以降の発酵、仕上工程はいわゆる「バッチ処理」となります。
§3.発酵
空気を遮断した状態で静置し、発酵(嫌気性)をさせます。
普通の蓋付ポリバケツで、堆肥バケツより一回り大きい物を使用しています。堆肥バケツの全量を移しても、蓋が内容物に直接触れない大きさが目安です。空気の遮断は土で覆うことによりますが、発酵中の虫除けのため、密閉機能は無くとも、蓋が必要です。以後、区別のために「普通バケツ」と呼びます。
写真では蓋を逆さにして乗せています。水分除去のためです。詳細は後で記述します。
堆肥バケツが満杯になった時点で、堆肥バケツを逆さにして、全量をそのまま崩さずに普通バケツに移します。写真で上に乗っているものは堆肥バケツの底に敷いていた枯葉です。枯葉があると、底から簡単に抜け落ち、手早く移すことができます。
上部を水平にならし、ふるった土をかけて全面を覆います。手で押さえて少し締め、厚さ5mm程度としています。虫侵入防止のために、蓋をずれないように(虫が入る隙間が出来ないように)載せます。親虫が入らなければ、堆肥作りの余計なお客様、ウジムシの発生がありません。
この状態で静置します。
※ 堆肥化のための嫌気性発酵を、土の層で空気を遮断して行わせるとの発想です。密閉性を高めるため、ふるって、目を揃えた土を使用しています。厚みのある土で覆えば臭いもしなくなるので、蓋の密閉性は必要なくなります。臭がある時はできるだけ早く土をかけます。
枯葉が乗ったまま土をかけても、そのまま堆肥の一部となってしまいます。この写真では、鋏で切った枯葉を使用していますが、そのままの枯葉であってもかまいません。
※ 空になった堆肥バケツは、ぬかみそ臭が強いので、すぐに密封蓋をします。このとき、空のままではなく、枯葉を入れると、ぬかみそ臭が枯葉のにおいに変わり、次の払出も楽になります。枯葉による空容器の調湿効果もあるように思えます。市販のEMぼかしも、米ぬかを使用し ているのか、米ぬかを加えない場合にも、ぬかみそ臭がします。
上面を土で覆った、静置中の状態です。写真の白い部分はカビ(発酵には有益な白カビ)が出て来ている所、黒い部分は内側の水分が上がってきている所です。ごく稀に、表面温度が上がったと感じることがあります。温度上昇を感じない場合も、蓋の内側は濡れています。濡れ方が時間経過で変わるので、内部温度の変化が発生している可能性があります。
出てくる水分の除去を、バケツ蓋を1日1回裏返しして乾燥させることで行います。この操作を、先の堆肥バケツが一杯になるまで、つまり、次の受入が必要になるまで続けます。1日2回出来るのであれば、もっとたくさんの水分が除去できます。蓋の濡れ具合で判断できます。多いときは蓋の表面を流れ落ちる状態となるので、相当の内部水分が除去されていると思います。蓋を過剰水分除去と虫防止のために使用しています。
※ バケツの中のかき混ぜは行いません(酸素の補給はしません)。過剰水分の除去をバケツ蓋の反転で行うことが唯一の仕事です。外見的には、静置されているだけですが、内部では低酸素状態での発酵が進んで行く、重要な工程であると考えています。
堆肥作りで出てくるカビには白カビと黒カビがあるようです。一般的に白カビは発酵に有益、黒カビは腐敗などの発酵不良があるときに発生すると言われています。私の経験では黒カビ発生はありません。
§4.切り返し
切り返して空気(酸素)を混入し、二次発酵をさせます。
切り返しは普通バケツでの静置後、3週間程度後(このころ堆肥バケツが満杯になって普通バケツに移すために、普通バケツを空にする必要も出てきます)に、深めのプランターに移動させることで行ないます。プランターは、もともとプランターとして使用していた、やや深めで、普通バケツより少し容量が多いものです。
プランターの底に薄く土を敷き、普通バケツの中身を、空気(酸素)が十分に混じるように、よく解しながら移します。ふっくらとした感じとなるようにして、移した後の押さえつけはしません。移動時には明らかなぬかみそ臭(よく言えば甘酸っぱい発酵臭)が発生するので、手早く行います。
移し終えたら、右写真のように、すぐに篩った細かな土で1cmほどの厚さで全面を覆って軽く押さえ、臭いと虫を防止します。土が乾燥しているときは、土の厚み増やします(嵩比重の関係で量は変わらないようです)。土が極端に乾燥しているときは表面を湿らせて密閉性を高めます。
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※ 切り返しが二次発酵の開始点であり、発酵工程の修正の重要なチェックポイントです。普通バケツの中が漬かり過ぎた漬物の状態となっているときが最も良い状態です。小さな野菜くずはねっとりとした状態、みかんの皮などの硬いものは形が分かります。移すときの不具合及び対応は下記のようにしています。
ぬかみそ臭ではなく、腐敗臭がする場合、又はねっとり状態が少ない場合。発酵不良の可能性大となります。新鮮なEMぼかしを何層かのサンドイッチ状態にして追加します。普通バケツでの静置時間が短すぎる時も、同様の状態となります。普通バケツの中では何も起きていないのではない事が分かります。
下部の湿分が多すぎてべったりとしている場合は、乾いた土を加えると湿分調整をすることができます。
� ��態が極めて悪いとき、又は切り返し処理の時間的余裕が無い場合は、そのまま花壇に埋め込んで使用します。土中での発酵(発熱)が起きるので、一箇所にまとめて埋め込む場合は根の高温障害への注意が必要です。広い畑があれば、順番に埋めていくことも有効な方法だと思います。この状態での使用方法は限られるので、できるだけ完熟させることを目指して、切り返しと、次の熟成処理を行っています。
※ 素材の入れ方をまとめると次のようになります。
貯留(堆肥バケツ)・・・押さえつけて入れる(体積を減らして、入るだけ)
発酵(普通バケツ)・・・そのまま、くずさずに、適度に締めることは可。
切り返し(プランタ)・・・十分にくずして、均一になるようにふっくらと。(発酵で体積は自然減少� ��る)
プランターの土の上には枯葉を乗せています。切り返しと同時に温度上昇が始まり、半日もたつと、枯葉の下に指を入れれば、暖かいと感じるようになります。良好に堆肥化が進行しているサインです。温度上昇は数日間続きます。土の中にまで指を差し込むと(時期によっては指先が完全にぬかみそ臭くなります)、熱いと感じるまでになります。少し湿った枯葉であっても、カラカラに乾燥します。温度が上がれば虫の心配はなくなります。
※ 枯葉があることで、保温と表面の水分調整の効果があるようです。少しの雨濡れで中が濡れることも防止できます。林の中の落ち葉の下で、腐葉土ができて行くことがわかる気がします。この意味で冬場は厚めに乗せています。置き場所は、雨が直接当たらず、北風が少ないところです。内部の温度上昇を安定化するには、高温期以外はプランターの保温を行ったほうが良いようです。
※ プランタ内部の温度変化は左図のようになります。プランターへの移動と同時に急速に昇温し、夏場には60℃程度まで上がります。その後10日程度をかけて下がって行きます。発酵が良好な場合は、温度の降下と共に体積も減少します。発酵現象の驚きが最も感じられる時期です。
詳しくは温度変化の詳細のページをご覧ください。併せて、保温方法と私が考えた発酵不良を発生させる要因の要因特性図もご紹介します。
§5.保存(熟成)
通気性がある袋で保存し、熟成と水分調整を行います。
上昇した温度が外気温度に近づいたころには、指を差し込むと、ぬかみそ臭から堆肥臭に変わっていることで、二次発酵が進んだことがわかります。数日間そのままにしておいた後、左側写真のように全体をよく崩して掘り起こし、「ガラ入れ袋」に移して保管します。
工程が順調に進んでいれば、この頃、次の二次発酵を行うために、プランターが必要となっています。あまり長くプランターに入れたまま放置していると(特に夏場は)虫が発生することがあるので、注意が必要です。
※ ガラ入れ袋(写真右)は建設現場の廃材等を入れるのに使用する袋です。ホームセンターでもこの名前で購入することができました。色の濃いものと薄いものがありますが、濡れたものを入れても水が抜けるように荒く編んであります。これにより適度の通気性が確保されているようで、この通気性が意味を持っていると考えています。丈夫な袋で、何度も繰り返して使用することができます。
掘起すと、全体が黒くなり、卵の殻が原型をとどめていることがあるという状態です。プランターの上の部分、下の部分の状態はかなり違います。上の方には焼けたような白い塊、下のほうには水分が多い家畜舎の床のような臭いがする部分があることもありますが、かまわずにガラ入れ袋へいれて混ぜ込みます。袋の口を閉めて、天地替え(ひっくり返す)を数回繰り返し、内部を均一にしています。上に乗せていた枯葉は再使用のために回収してもかまいませんが、一緒にガラ入れ袋に入れてしまえば、そのまま肥料になります。
右側の写真が袋に入れた状態です。ほとんどの場合、袋の中でも温度が少し上がります。
※ 十分の酸素が供給される、再度の切り返しが行われ、残留未発酵分の発酵が生じている為だと思います。ガラ入れ袋の目からは水分も抜けていくようで、全体的に乾燥していきます。保存には発酵よりも少な目の水分が適します。袋の中で仕上げ熟成が行われる、と考えています。
袋の置き場所は雨が当たらない場所です。雨濡れすると未完熟分が湿り、潟状となることがあります。外部からの加熱も必要ないので、直射日光も当たらない場所となります。§1でご紹介した苗入れ箱をさかさまにして置台とし、下部の湿気抜を行って、袋の下部に水分が集まって湿ってしまうことを防いでいます。
袋入りのままで、数ヶ月は保存可能です。水分の減少で、より使いやすい状態にもなります。不使用時期に出来上がった場合も、使用時期まで保管しておく事が出来ます。
設置場所の関係で、堆肥バケツ、普通バケツ、プランタ共に1個づつの使用です。いくつも並べて運用できれば、別の方法があると思います。自宅での生ゴミ発生量、一人での監理という条件を考えると、これくらいかなという感じもあります。限定された場所で、季節によらず、使用時期を選択できる堆肥化を行うことが特徴となります。
完成品の状態、および鉢土などとしての具体的な使用方法はHOMEに戻り、「使用方法」をご覧ください。
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その他
においの防止
生ゴミ堆肥作りで最も重要なものが臭いの防止です。堆肥バケツに集めてからは、二次処理が終わるまでは、ぬかみそ臭がします。良好な発酵を示すものであっても、臭いとしては近所迷惑です。堆肥バケツでは密封蓋の使用、その後は土による覆いで防止をしています。普通バケツの蓋内側につく水分にも若干の臭いがありますが、乾燥時の問題となるものではありません。
どうしても臭い防止が出来ないのが、二次処理のために普通バケツからプランタへ掘り起こしながら移す、約5分の間です。現在のところ、各種の臭いが漂う夕方、風が弱く、人が外に出ていない時を見計らって、物陰で手早く行うことで対処しています。朝までには温度上昇が発生し、表面からの臭いは減少します。
ぬかみそ臭が取れない場合に、表面に� �めた木酢液を振りかけることがあります。木酢液の独特の臭いで、ぬかみそ臭は分からなくなります。木酢液にも発酵効果があると書いてあるので、発酵が進んで臭いが少なくなるのかも知れませんが、確認はできていません。どちらの臭いが、より近所迷惑でないかを考えての使用となっています。木酢液は植物には無害で、猫避け、ナメクジ処分等には効果があるので、いつも準備しています。
虫の防止
臭いの次に困るのが、見た目に気持ちの悪い、虫(ウジムシ)の発生です。形状から判断すると、昔懐かしいハエから発生する幼虫が最も多いようです。普通バケツの後期以降、大量に発生させた経験があります。切り返し後の二次発酵で高温になっても、プランター下部の高水分部分に避難して生き延びるよ� ��です。
ウジムシの発生防止には親虫を近づけない事が最高の対策です。素材を不要に放置しない、堆肥バケツでは蓋を密閉する、普通バケツでの蓋ずれをさせない、の親虫侵入防止が重要です。この対策を十分に取り出してから、大量に発生することは少なくなりました。
ダニ発生の経験はありません。
虫の発生は外気温度が高い季節(7月末〜10月初め頃)に起こります。経験的にはプランターでの二次処理時が最も多くなっています。プランターへ移動後に土で厚めに覆う、またはプランターの上に防虫網を置くようにしています。写真に使用しているものは、別ページでご紹介している、足長蜂対策に使用していたものです。
発生の可能性が疑われる場合の予防としては、バケツ又はプランターの覆土の表面にに殺虫剤(通常はオルトラン粒剤)をばら撒きます。バケツで撒いたものは、プランターへの移動時に内部に混入されますが、温度上昇は正常に進行します。殺虫剤の使用が多く、プランターでの保持時間が短い場合は発酵後の臭いに少し違いがあるようです。
虫が発生したままでも、堆肥化(発酵)工程への影響はあり� �せん。普通バケツで虫がいる状態のままでプランターへ移して切り返しを行っても、温度は虫がいない場合と同様に上昇します。普通バケツまでは乳酸菌発酵による強酸性、切り替し後は発酵熱による高温発生と、二次発酵までの堆肥化工程では虫削減の環境が生じていると考えています。
ガラ入れ袋での保存(熟成)後は乾燥程度しか期待できないため、この時点で虫が多量に発生している場合は石灰または殺虫剤を混入して処理します。殺虫剤を使用した場合は野菜などへの使用を控えます。虫も活動していなければ、時間経過で堆肥の一部になると考えています。ある意味での熟成だと思います。
消極的ですが、虫発生期間には堆肥作りを中止する方法も考えられます。虫の発生は確実に防止できます。年間の約25%� ��休止期間となりますが、虫発生のために堆肥作り全てをやめるよりは、75%を実行するほうが有効です。
庭に余裕があれば、この時期には切り返しを行わず、そのまま深く埋め込んでしまうことも一つの方法です。虫を見ることはありませんし、高温時期にはすぐに土中発酵堆肥として分散してしまいます。
枯葉の効用
冬に枯葉を集めておいて、プランターの底、上、堆肥バケツの底と各所に使用しています。取り出しの容易化、におい緩和、保温等になっていると考えています。ただし、副資材ですから、枯葉が無くとも生ゴミの堆肥化はできます。プランタでの発酵時も、枯葉がないと温度が上がりにくく、表面は乾きますが、発酵自体は進みます。
枯葉も有効利用したいと言う気持ちもあります。枯葉を多量に積んでおけば、それ自体で腐葉土になりますが、そこまでの量と場所が確保できないと言う理由もあります。枯葉は有益微生物の宝庫とも言われており、混じりこんでも堆肥の一部になってしまうことも利点です。
生ゴミのC/N比(炭素と窒素の比率)は10程度、良好な堆肥のC/N比は20程度、落ち葉のC/N比 は40前後とされているためC/N調整の効果も考えられますが、私には分析能力が無いため、定量的な把握はできません。
EMぼかし
最近は生ゴミ堆肥作り用の粉末EMぼかしが、どこでも手に入るようになりました。ホームセンター、道の駅等の各所の園芸用品売り場等で、いろいろなものを購入した経験があります。外見的には少しづつ異なりますが、幸い現在まで、使えないものに当たったことはありません。身近で手に入るものを使用してよいと考えています。
左側がホームセンターで購入したもの(400円、500g)、右側が道の駅で購入したもの(100円)です。この他にも大きい袋から小さい袋まで、いろいろと有ります。私の使用では、開封後に湿気を持つ前に使い切るためには、このくらいの大きさのものが適量です。
開封後、時間がたつと「劣化」するようで、EMぼかし自体が温まって固まって行きます。湿度が高いときに起こりやすい現象です。「生きている」証拠だとは思いますが、固まってしまうと発酵効果がなくなるようです。固まっても、生ゴミと一緒にすれば処理できるので、廃棄物として処理する必要はありません。
発酵途中(プランタへ移す時等)で腐敗臭がして、EMぼかしの追加が必要になる場合は、開封したばかりの新鮮なものを使用したほうが良い� ��思います。液体のものを使用した経験はありません。
発酵過程の考え方
堆肥は発酵作用によって作られます。良質な堆肥を作るためには発酵過程を考えることも必要であると思います。以下は私が堆肥作成の過程を理解しようと、読みかじったものをまとめたものです。
発酵の種類
発酵には嫌気性発酵と好気性発酵があります。
※嫌気性発酵:酸素が少ない状態で活動する、乳酸菌、酵母菌等による分解とされています。私の例では普通バケツの中で主として進行していると考えています。発酵物は臭い(私の経験ではぬかみそ臭)があります。嫌気性発酵による有機物の分解で、生ゴミから肥料有効成分になるとの説明もあります。EMぼかしは嫌気性発酵を促進する菌の集まりであり、発酵中に見られる白カビはこれ� ��の菌によるもの(有益なカビである)と考えています。水分が多すぎると発酵できなくなり、腐敗して悪臭のあるものとなります。
※好気性発酵:酸素が多い状態で活動する好気性菌による分解とされています。好気性発酵を行うためには、空気(酸素)の混入が必要になります。工業的に多量に処理する場合は連続攪拌(切り返し)等が必要になりますが、私の場合はくずしてプランタに移すこと(切り返し)、その後の通気性のあるガラ入れ袋での保管することで行っていると考えています。発酵による臭いの発生はありません。嫌気性発酵物は好気性処理されると臭いがなくなると考えています。
発酵の温度
理想的な発酵を行うと60℃以上になるようです。温度は発酵環境の物理的な条件で上下すると思います。
好気� ��でなければ発熱を得る事ができない、好気性では十分な発熱を得ることができないという、相反する説明があるので、どちらの方が高い温度となるかについては理解できていません。私の例では、嫌気性発酵終了後の切替しにより急速な温度上昇が発生するので、好気性発酵のほうが発酵温度は高いと考えています。
水分の影響
50〜60%の水分率が最適であるとされています。握って、水分が落ちない程度のようです。私が使用する水切り後の野菜くず等は、この範囲に入ると考えています。水分が少なすぎるとそのまま残り、多すぎると腐敗します。
フリー百科事典『ウィキペディア』の堆肥(
発酵剤と素材との混合
堆肥バケツに集積するとき、発酵剤と素材を均一に混合して全体をなじませた方が、発酵� ��早くなるような感じもあります。大き目のレジ袋に発酵剤と素材を入れて膨らませた状態で、袋の口をしっかり閉めて振り回すと、簡単に均一に混合することができます。粉体を均一に混合するによく使用される方法です。埃も臭いもしません。最初のころは、このようにしていましたが、今では振りかけてかき回すだけです。
魚の処理
現在のシステムでは、残念ながら魚の頭、骨の処理は行っていません(発酵以外の問題のためです)。自宅で魚を調理して生のアラが手に入ったときは、最高の発酵装置である「大地」に委ねています。つまり、米ぬか(又はEMぼかし)と一緒にして花壇の隅に、深めに埋めてしまいます。1ヶ月も経つと、どこに埋めたか忘れてしまいますが、まだ、掘り当てたことはありません。 大きな魚のアラはアラダキで食べるので、塩分防止のため除外します。大きさとしては鯖の頭までが処理経験済みです。
花壇の隅での処理に近いものとして、プランターによる処理例を、「簡単作成」のページにご紹介しています。HOMEに戻って、参照ください。
蟹をいただいた時に、蟹の殻(キチン質)は有効な肥料になると聞いたことがあり、そのまま(熱湯で洗って塩分を落としたあと)埋め込んだことがあります。1年ぐらいは、蟹の殻と分かるものが出てきましたが、そのうちに無くなってしまいました。大地の能力の大きさを感じました。有機物の連続補給で、処理に適した土壌になっているのかも知れませんが、想像の範囲です。
ミニプラントとしての設備種別、仕様及び機能の一覧記述を行うと、下記のようになります。
水切設備 | 苗箱に古新聞を敷いたもの | (§1)素材調整を行う |
貯留設備 | 密閉蓋のある堆肥用バケツ | (§2)1回の発酵単位を貯留する |
一次発酵設備 | 蓋のある掃除用の普通バケツ | (§3)土でシールして嫌気性発酵を行う |
二次発酵設備 | プランター | (§4)切返して二次発酵(好気性)を行う |
保存熟成設備 | ガラ入れ袋 | (§5)乾燥熟成を行う |
二次発酵用のプランターは崩した発酵体を受け入れるだけなので、バケツをそのまま掘り返しても同じようにも思えますが、容器を移動することで切返しが完全になること、形状が二次発酵に適したものであるように考えて使用しています。バケツは深さがあり、下部に水分が集まって高水分となり、二次発酵が起こりにくいようです。熟成にガラ入れ袋ではなく、ビニール袋を使用すると、通気性が無いためにペタペタの気持ちの悪いものが出来ます。
堆肥バケツ後のバッチ処理の単位量は取扱に適した量になっています。市販の堆肥バケツを貯留に使用した効果だと考えています。1サイクルでの堆肥完成量も、袋詰めの市販堆肥等と同程度で、保存、使用に都合が良い量です。それぞれの工程にあったものが使用されていると思い� ��す。
設備間の素材の流れを下図に示します。それぞれの「設備」が堆肥化サイクルの中で、「ミニプラント」として効率的に運用されていることが示されています。
詳細pdfファイルはこちら
発酵工程の内容他
ここまでお読みいただけばお分かりの方もいらっしゃるかとも思いますが、私はプラント設備管理に携わってきました。コンポスト、ダンボール等の一つの容器内での堆肥化を待つのではなく、工程別に監理して、能動的に生ゴミ堆肥化を進めるという発想は、そのためだと思います。
プラント屋の欠点は、過程の原理の理解を忘れ、結果(製品外見)の良否で工程を運用することです。バケツでの発酵を嫌気性、切返し後の二次処理での発酵を好気性と考えていますが、これも間違いかも知れません。微生物学的に、どのような過程が進行しているのかについての理論的な知識がないと、重要なサインを見逃して大きな失敗が起きる可能性もあります。機械設備の運用で、構成部品の化学(材質)的� ��変質についての知識無しに、構造的な検査結果の判断でのみ運用すると重大な設備破損事故を引き起こすことがあることとも同じだと思います。
「思いを言葉に、言葉を形に」ということが設計の基本ですが、私のここまでの堆肥化実施の過程は「思いを形に」とした見本のようなものです。「思い」を直接「形に」変える楽しみは十分に味わったのですが、錯誤の連続、不良品の処理、ウジムシの群れを追い回すことが何度もありました。後付で言葉にしてみることで、自分が何を形にしようとしていたのかを少しは考えることが出来たと思います。しかしながら、「言葉」を見直すと、やはり怪しいところの連続です。私の「言葉」が、どなたかのお目に触れて、何かの参考になれば幸いです。
私の知識では、ここで記述した堆肥化工程が他所でも同様に実行できる、と言うことも出来ません。現状で確信を持って言えるのは、 私の堆肥化ミニプラント?の製品は、製品ユーザーでもある私が、ガーデニングで使用するのに十分な品質であることだけです。
ここまで読まれた方があれば、効果のページの使用実績(育てた植物、環境影響評価の循環型ガーデニングの楽しみ)までをご覧くださることを希望しております。
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