フレーム3 植物の栽培と栽培する地域は密接な関係があります。
私の栽培場所は静岡県の平野部です。
寒冷地の場合は温度条件その他を考慮する必要があります。
私の栽培植物の半分以上は富貴蘭、残りは常緑の野生蘭とシダ類、一部の古典植物です。
栽培環境は富貴蘭に合わせてあります。
人によっては参考にならない場合があります。
寒冷地に住んでいる人が高山植物の栽培に関する本を書いても暖地の人には参考になりません。
著者が生産者や研究機関の人なら園芸は「仕事」であり「趣味」ではありません。
当然、取り組み方や考え方が変わってきます。
著者の中には、たった一つ方法しか試していないのに、その結果が100%であるかのような書き方をする人もいます。
それでも栽培書は有用です。
栽培書は一冊に頼らず、複数の人の書籍を見比べましょう。
ベテランや専門店にも相談し、最終的には自分の環境に適した栽培方法を自分自身で確立しましょう。
何年か前に錦蘭が流行した時、ある人が砂苔植が良いと雑誌に書きました。
その後、砂苔植に関する複数の記事を見るようになり、私も真似てみました。
結果は大失敗で、当時は高価だった多くの錦蘭を枯らしました。
私の栽培場は富貴蘭主体ですので比較的乾燥しています。
砂苔は乾くと、かなり縮むので鉢内に空洞が出来て根が傷んでしまったようです。
記事を書いた人の棚では、多分、常に湿った環境が作られて結果が良かったと想像します。
温度、明るさ、通風などの条件が異なれば、一方で良かった事も他方では悪くなる場合があります。
初心者は雑多に種類を集めがちです。
しかしながら植物には各々、好みの温度、湿度、明るさがあります。
生育環境の異なる植物を同じ場所で育てるのは大変です。
私の場合、当地に自生しているか、自生可能な種類を原則としています。
明るさは富貴蘭を基準にしています。
他にも興味のある植物はありますが、写真集で我慢します。
また、種類を絞れば奥行きを深くすることが出来ます。
植物栽培をしていると、殖えたり、新しい物を購入したりして、鉢数が増えてきます。
しかし、栽培場所の広さや時間的な制約で、管理できる鉢数には限度があります。
これを越えると、全体的に管理が悪くなり、棚が荒れてきます。
鉢数が増えすぎないように管理する必要があります。
余った植物は、私の場合、庭木に着生させたりします。(暖地でないと駄目です。)
人にあげたり、交換したりすることもできます。
専門店が下取りしたり、買い取ったりしてくれる場合もあります。
ただし、店の販売価格と買い取り価格には大きな差があることは知っておいてください。
私は未経験ですが、オークションに出品している人も、いるかもしれません。
富貴蘭を始めとする古典植物や野生蘭、シダ類は多くの場合一般の園芸店では扱いません。
静岡県には、これらを扱う専門店が少数あります。
私は専門店を探して東は東京、西は三重、和歌山、奈良まで行った事があります。
専門店では、多くの品種が入手可能ですし、無い品種でも取り寄せてくれます。
また、栽培に関するアドバイスも貰えるので知識が深まります。
専門店を探すには園芸雑誌の広告に載っている地図や電話番号を利用しました。
今ではインターネットで探す方法もあります。
しかし、園芸の盛んでない地域で専門店の無い場合もあるでしょう。
この場合、通信販売とかオークションで購入する事になります。
現物を見れないというリスクがあるので安い物から始� ��て様子を見ましょう。
地域によっては「交換会」と称するプロ、アマ入り乱れての売り買いの場が定期的に開催されます。
しかし、現物を細かく見れない、短時間で判断しなければならない等の理由で素人向きではありません。
シダ類などは、似た物が多く植物図鑑は必須です。
図鑑には近似種との区別方法や生育環境が記されています。
植物の生育環境が判れば栽培する時の参考になります。
また、富貴蘭や春蘭には来歴の判っているものが多くあり、来歴に因んだ名前が付けられています。
この事を知れば興味が増します。
たとえ、栽培しない植物でも、名前を覚えることは有意義です。
山歩きをして目に留まった植物の名前が判れば、それだけで楽しくなります。
世の中には野生種の価値が高く園芸品種は価値が低いと考える人がいます。
しかし、野生種の価値は野生の状態で存在する事にあります。
多くの場合、品種改良をしたり、野生の変異品を増殖した園芸品種の方が鑑賞価値があります。
野生種の変異品を選別し増殖させる事には意味がありますが、基本品種は山に残すべきです。
着生した風蘭を枝ごと切り取って売店に並べたり、オークションに出品したりするのは止めるべきです。
形の良い流木や石に増殖した風蘭を着生させれば、もっと鑑賞価値の高いものが作れます。
エビネや羽蝶蘭は園芸品種化され、実生により鑑賞価値の高い個体が量産されています。
従って、苦労して鑑賞価値の低い野生種を山採りする意味が無くなってきました。 サギ草も流通しているものは無菌培養で増殖したものと聞きます。
野性植物を園芸植物化して供給することは自然保護の為に重要です。
私は自然保護の運動家ではありませんが、これからも野生植物を現地で見たいと考えます。
高山性のランなどの難物を栽培する事に情熱を注ぐ人がいます。
これらが難しいのは多くの場合、自生地の環境を再現するのが困難である為です。
こんな場合、無理をするのは止めて写真集で我慢する事を勧めます。
栽培方法の確立していない植物の供給元の多くが自生地であるという事も問題です。
園芸趣味も常に殺菌剤を使用する様では楽しみどころかストレスが増します。
栽培容易で鑑賞価値の高い植物はいくらでもあります。
尚、研究機関や育種家には難物を園芸植物化して素人に栽培出来る様に改良される事を期待します。
富貴蘭も栽培技術の向上により古くからの銘品の数が増えました。
数が増えると需要と供給の関係により値段が下がってきます。
値段が下がっても鑑賞価値が下がった訳ではありません。
品種の特徴を生かして丁寧に作れば自慢出来る1鉢になります。
富貴欄以外の古典植物やシダ類にも安くて魅力のある品種がたくさんあります。
これらを拾い出すのも楽しみの一つです。
一方、新品種は数が少ないので高価になります。
金持ちが、これを高価で買い求める事により業界が発展してきた事実も否定は出来ません。
しかし、植物を投機の対象に考えて痛い目にあった話も聞きます。
毎年、冬になるとシクラメンが販売されます。
多くの人が買い求めますが大抵、夏に枯らしてしまいます。
シクラメンの原種は地中海の周辺に自生していたので、夏の乾燥を好みます。
日本の夏は多湿であるので球根が腐ってしまうのです。
それでも冬になるとシクラメンが欲しくなり、再び買い求めます。
つまり、枯らすことにより毎年、確実な需要があるということです。
結果的に業界が潤い、生産、育種が盛んになり、より魅力的な新品種が出てきます。
枯らす事を奨励する訳ではありませんが、あまり厳密に考えると人間の存在を否定する事になります。
こうなると、野菜を食べたり雑草を抜いたりすることも出来なくなります。
ポイントはシクラメンが人工的に大量に生産� ��れる園芸植物である点です。
自生している物を採取したとするなら話は違ってきます。
個人的にはシクラメンを栽培した事は有りませんが最近育種された黄花品種には興味があります。
注)シクラメンは例として取り上げただけです。
シクラメンを購入されたら枯らさないで出来るだけ大株に育ててみてください。
新根を折る
フウランは新根を空中に伸ばすので、根先を痛めやすいです。
特に鉢掛けから出し入れするときは注意が必要です。
切り欠きのあるプラ鉢の場合、切り欠きから根が伸びていることが多いです。
伸びた根が隣の鉢に入り込んでいる場合もあります。
鉢掛けのサイズを間違える
鉢のサイズが色々あるので、鉢掛けのサイズもいろいろあります。
鉢の置き場所を移動するときサイズを間違える事があります。
小さい鉢掛けに大きい鉢は入らないので問題ないのですが、逆の場合、鉢を落下させます。
私は、落下させて、楽鉢を割ったり、根本から植物を折ってしまった事が何回かあります。
一見、掛かっているように見えて、時間差で落下する場合も� ��るので要注意です。
袴の裏の芽当たりを欠く
フウランの根本に枯れた葉の袴が残っていると取り除きたくなります。
しかし、袴の裏に芽当たりが隠れていることがあり、一緒に取ってしまうことが何回かありました。
最近では袴を背中から半分づつ2回に分けて注意深く取り除くようにしています。
勿論、袴をそのままにして、芽当たりが、しっかりしてから袴を取り除く手もあるとおもいます。
ただし、枯れた袴は固いので、芽当たりが伸びきれない可能性もあり、何ともいえません。
例えば肥料Aと肥料Bのどちらが効果があるか実験する場合を考えます。
この場合、他の条件は同じにしなければなりません。
他の条件とは、植物の種類、用土、風通し、潅水、採光、、、、、、沢山あります。
サンプルも沢山用意して、統計を取らなければなりません。
明るさを同じにする場合でも、5000ルックスで統一した場合と10000ルックスで統一した場合では 結果が逆転するかもしれません。
用土も水苔植えで統一した場合と、砂植で統一した場合では結果が逆転するかもしれません。
こうなると無数の組み合わせが発生するので、とても比較出来たものではありません。
結果として、感覚的な意見となってしまいます。
多くの園芸書の内容にも、私の記述でも感覚的な部分は有りますので了承願います。
私の住んでいる場所で熱帯植物を栽培するには加温設備が必要です。
これは不可能では有りませんが維持費が掛かります。
高山植物を栽培しようとすると、夏に明るくて冷涼な環境を作る必要があり、これは不可能に近いです。
夏は遮光のみ、冬は無加温の温室で栽培出来る事が私の栽培植物選択の基準です。
もちろん、地域や個人の好みで基準は変わってきますが、方向性を定めた環境作りが必要です。
栽培植物と栽培環境が適合すれば、殆ど手が掛からなくなります。
私は多肉植物に興味があります。
しかしながら富貴蘭の栽培環境に合う種類は多くはありません。
かといって別の栽培環境を作る余力もありません。
そこで、想像の世界に入ります。
多肉植物の写真集や栽培書を何冊か買って品種名を覚えたり、栽培方法を勉強したりします。
実際に育てる訳ではありませんが、これはこれで楽しいものです。
かくして、食虫植物、セントポーリア、ベゴニア...たくさんの本が集まりました。
富貴蘭が50鉢程度の時は屋根と遮光ネットだけの簡単な棚で栽培していました。
冬は無暖房の部屋に取り込み、何日かに一回、霧吹きで水を掛けました。
この方法でも問題なく栽培出来ましたが、鉢の移動や冬の管理は多少面倒でした。
その後、鉢数が増え、この方法では対処できなくなり、温室を建てることにしました。
趣味で個人が管理出来る限度は6坪程度と考え、6坪にしました。
市販のアルミ温室には、風通しに不安があり、簡単な図面を書いて鉄骨屋さんに作って頂きました。
周囲は全て建具にし、4月から11月は取り払って屋根と骨組みだけになり、台風が来ても戸は嵌めません。
建具は軽く作るためと、破損しにくさを考え、ガラスではなく強化プラスチックの窓にしまし� �。
四月の始めに戸を外し、12月始めに戸を取り付ける事以外は手が掛かりません。
季節によって鉢を移動することなく、一年中同じ状態で管理出来るようになりました。
富貴蘭が盗難にあったという話を聞きます。
たとえ高価な物でなくても盗まれたショックは大きく、趣味に対する情熱が失われます。
私の場合、工場などで侵入防止に使うフェンスを棚全体に張ってあります。
侵入警報装置等も効果があると思います。
残念ですが、植物を盗む人が存在するという事実は認識する必要があります。
温室を建てたとき、保温ばかりに気を取られ、温度の上がり過ぎを忘れがちです。
夏期、小型の温室は温度が上がり過ぎ、中の植物が蒸れてしまいます。
小型の温室は天窓の自動開閉装置等が付いていない場合も多く、手動で窓や天窓を開ける事になります。
しかしながら、人間の場合、不在や忘れる事もあり、確実に失敗します。
天窓の自動開閉装置や自動換気扇で自動化すべきです。
私の場合は周囲を建具にし、春〜秋は全て外してしまうので風通しが良く換気装置は不要です。
冬季には小型の温室は日中の温度が、かなり上昇します。
冬に日中の温度が高いと植物は休眠出来ず枯死してしまいます。
やはり天窓の自動開閉装置や自動換気扇を使う事になりますが、夏とは動作温度を変 える必要があります。
私の温室は鉄骨屋さんが建てた温室で
・密閉度が低い
・住宅用の建具を使っている関係で背が高く容積が大きい。
・外部に遮光材を張り、かなり暗くしている。
以上の理由で冬に締め切ってもあまり温度が上がりませんが念の為シャッター付き換気扇を付けています。
ムカデランは明るくても暗くても作れるランです。
しかし、明るい場所では色が茶褐色になり、暗い場所では緑色で、だいぶ感じが違います。
コクランは明るいと葉色が白っぽくなり鑑賞価値が落ちます。
富貴蘭は品種により明るさの好みが違います。
明るすぎると葉色が黄色っぽくなったり、紫褐色の汚れを生じて葉持ちが悪くなります。
ただ、金牡丹のように本来そういう特徴を持った物もあるので、品種毎に特徴を理解している必要があります。
金楼閣や金幽晃は生育に適した条件では虎斑がでにくいので、春や秋の一定期間、直射日光に当てます。
富貴蘭は鉢掛けを使えば2段、3段と置けるので、暗さを好む物は下の方に置いています。
病気の心配があるので、土や砂で植えた植 物は、必ず最下段に置くようにしています。
アルミ蒸着した銀色の遮光材は光線を反射し、温度を下げる効果が有るという記事を目にします。
一般的な黒色の物は熱を吸収して効果が落ちるような事も書いてあります。
私は比較した事が無いので効果の違いについては話せません。
しかし、アルミ蒸着したものは1年でかなり剥げ落ち、2年経てば原形を留めない程ボロボロになります。
一方、黒色の物は10年以上変化がありません。
屋根の外側に張れば、多少熱を吸収しても問題無いと思います。
多少、効果に差があっても、毎年、遮光材を張り替えるのは面倒です。
樹脂類は、添加する色素によって性質が変わり、一般的に黒色のものは耐候性があり、白や透明の物は弱いです。
(中には透明で耐候性のある樹脂もあります。)
アルミ蒸着のものは、土台が透明ビニールで紫外線に弱いのです。
多少高価になりますが、アルミテープを一定間隔で貼り付けるのは、効果も耐久性もあります。
栽培書を読むと、夏は光線が強いので遮光率を60%にし、冬は40%というような記事を目にします。
私の場合は季節によって遮光率を変えるのは面倒なので、年中同じです。
富貴蘭の場合、冬季、葉に茶褐色の色素を浮かべる品種が結構あり、これは光線が強すぎるという合図です。
以前、鉢数が少なかった頃は、冬は暗い室内に取り込んでいましたが問題はありませんでした。
春蘭の場合、自生している雑木林が冬に明るいというイメージがあります。
私は春蘭を数鉢しか栽培していないので、芸の出方に差に関しては話せません。
生育に関しては、冬に明るくしなくても問題無い様に思います。
暗くすれば日中の温度上昇が抑制され、休眠には好都合ですし耐寒性が増します。
静岡県は風蘭の自生があります。
庭木に風蘭を着生させると良く成長増殖し、種子をたくさん付け、根は1m以上伸びます。
冬に雨に当たっても多少凍っても平気です。
ところが鉢植えの風蘭を外に出すと、まず天葉が腐り、やがて枯死します。
屋根を付けて雨をよけ、遮光することよって、やっと枯れなくなります。
鉢で栽培したものは自生種でも保護が必要です。
自分の棚が夏に何度位まで温度が上昇するか、冬に何度位まで下がるか知りたくなりました。
温度記録計は市販品もありますが、私は自作してみました。
この記録計は4個所の温度を1分間隔で最大4千件(約67時間)記録する事が出来ます。
計測後、データをパソコンに転送し、結果を画面表示することが出来ます。
結果から判った事は
・夏冬とも、高さの高い場所より地面に近い位置の方が温度変化が小さい。
・夏冬の最高温度が判り、栽培には支障無いレベルと判断出来た。
・無加温の温室では外気温の低下で徐々に室温が下がり、明け方ほぼ外気温に等しくなる。
・最低気温は日の出前に氷点下になることがある。
氷点下になると室内の水蒸気が水滴となって落下し、富� �蘭の葉に落ちて凍ります。
短時間なので問題無い様ですが、日中でも温度の上がらない雪国や寒冷地では芯が飛ぶかもしれません。
大部分の植物は多少凍っても平気ですが、深山麦蘭の1鉢とオオオサランの1鉢で葉が傷んだことがありました。
これらもバルブは腐らず、春には復活しました。
富貴蘭を栽培して感じることは、明るさに敏感で、品種により、好みの明るさが違うということです。
他の植物でも、明るさに敏感な植物は多いです。
一方で、ムカデランの様に、明るい所でも暗い所でも対応して増殖する植物もあります。
(葉の色は大部、異なりますが。)
明るすぎる場合
富貴蘭の場合は葉に赤紫色の汚れが出るので判ります。
ただし、元々、芸として赤紫色が出る品種もあります。
コクランの場合は葉が白っぽくなり、鑑賞価値が落ちます。
葉が黄色みを帯びる植物もあります。
一般的には見苦しくなりますが、黄色の虎斑の様に、積極的に利用する場合もあります。
最悪の場合、君子蘭の様に、葉焼けして枯れ込む植物もあります。
暗すぎる場合
ランや古典植物は、単に生かしておくなら、予想以上に暗さに強いです。
ただし、暗すぎると芸が弱くなり、本来の特徴が出ない場合が多いです。
又、徒長したり、間延びしたりして、姿が悪くなります。
一般的には、花が咲かなくなります。
「エビネは照度1/8の場所に自生し、着生蘭は1/4〜1/8の照度を好む。」という記事を目にしました。
ただし、エビネは自生状態では花付きが良くないそうですが、これが本来の姿ではあります。
栽培する場合は芸を出すために少し明るくする(植物に無理をさせる)場合もあると思います。
いずれにしても、自分の棚の明るさを知る必要はあると思います。
私の棚は最も明るい所で1/4、棚下の暗い所で1/16程度になっています。
私の場合、終日、全日照が得られますが、そうで無い場合は日照時間も考慮する必要があります。
私の棚の明るさは一例ですので自分の棚で、栽培する植物と環境に合わせ自分で遮光量を決定して下さい。
その為には、明るさを数値として掴む必要があります。
明る� �は照度計で測ります。
真夏の晴天で10万ルクス程度と言われていますが、この明るさを全ての照度計が計れる訳ではありません。
室内の明るさ(1〜3000ルクス程度)を精度良く計る為、上限を押さえた物もあります。
高価(数万円〜)ですので、持っている人から借りる事が出来れば好都合です。
私は写真用の単体露出計を流用しました。
露出計は入射光式である必要があり、カメラ内蔵の反射光式は使えません。
又、絞りとシャッタースピードの関係を良く理解している必要があります。
照度計にしても、露出計にしても、とりあえず数値そのものの意味を考える必要はありません。
棚で計った値と外で計った値の比が1/4なり1/8になっていれば良い訳です。
栽培書に書かれて いる「遮光率60%の遮光材」という表現は正確さを欠きます。
追補)その後、照度記録計を製作し、数値として明るさが記録出来る様になりました。
別セクション「あれば便利な機材」にアップしました。
これは富貴蘭を中心にした、私の栽培植物に関しての話です。(ギャラリー参照)
松葉蘭や岩桧葉のように強光線でないと芸が出ない植物もあります。
しかし、多くの古典植物やランは 1/8 の明るさで栽培可能です。
以前に写真の露出計を使い温室内の明るさが屋外の 1/4 〜 1/16 ということは調査済みでした。
今回、照度記録計を製作したので明るさを連続で計測、記録し、ファイルに落とせるようになりました。
窓際の一部で明るさが屋外の 1/2 〜 1/4 の個所がありますが、ここには棚がありません。
栽培場所では 1/4 〜 1/16 になっている事が判りました。(ただし、終日、日照あり)
富貴蘭の強健な品種は 1/4 程度の場所に置き、多くの品種は 1/8 程度の場所に置いています。
日に弱い品種は 1/8 でもシアンを浮かべるので、さらに暗い場所に置きます。
まとめると、富貴蘭は屋外の 1/8 の明るさがあれば十分、栽培出来るという事です。
暗いという事は夏冬問わず日中の温度上昇を防ぐという効果があります。
夏の日中に温度が上昇すると蒸れ易くなります。
冬の日中に温度が上昇すると休眠出来なくなり、耐寒性が落ちます。
明るさだけのデータでは不十分ですので参考までに私の環境を示します。(最良という訳では無いです。)
・場所は静岡県の平野部
・温室は東西方向の6坪
・温室の周囲は全て建具の引き戸になっているので屋根が高い
・春〜秋は引き戸を外してしまうので通風は良い
・屋根は三菱樹脂のポリカ(透明)、黒色ダイオネットで遮光
・終日、日照が得られる
・西側はアルミテープで強めに遮光
私の温室は既製のものではありません。
周囲は建具になっていて、春〜秋の成長期には戸を外してしまいます。
従って、風通しは非常に良いです。
成長期には台風の直撃を受けても、戸をはめることはありません。
風蘭は名前の通り、風通しを好みます。
特に夏に風通しが悪いと高温障害がでます。
富貴蘭も暑い夏は苦手と見え、この時期、一時的に成長を止め休眠状態になります。
出来るだけ風通しを良くし、遮光も強めにして温度上昇を防ぎます。
よく、栽培場で扇風機を回している光景が見られます。
空気の流れを好む富貴蘭に配慮しているものと思います。
また、成長を休んでいるので水のやりすぎは禁物です。
過湿にすると、鉢の中の古い根が傷みます。
� ��が好きな富貴蘭も、冬の寒風に当てると傷むので、12月初めから3月下旬の間は戸をはめます。
一方、シュスランの仲間は夏でも湿度が高く、風の流れの少ない環境を好みます。
こちらは少しでも水を切らすと根を傷めてしまいます。
私の温室はフウランの栽培に合わせてあるので、そのままでは乾き過ぎてしまいます。
従って、シュスランの用土に椰子殻チップを混ぜたり、表面を水苔でマルチングして水持ちを良くしています。
鉢は温室中央部の棚下に置いています。
この部分は温室内でも暗めで、比較的、湿度が高く、風通しもゆるやかです。
同じ温室内でも、場所により、温度変化、湿度、明るさ等が微妙に異なります。
同じ富貴蘭でも品種により、好む環境が異なるし、富貴蘭以外の植物も栽培しているので、どこに何を置くかは 結構、重要なポイントです。
温度変化と棚の高さの関係を記録すると、地面に近い位置の方が、夏で冬でも昼と夜の温度差が小さく、 条件が良いことが判りました。
ただし、低い部分は若干、風通しが悪く、湿度も高めで、暗めになっています。
私の棚は3段になっていますが、富貴蘭の多くは中段に置いています。
上段は温度変化に強い丈夫な植物を置き、下段の中央部は湿度を好む砂植の植物を置いています。
下段の北側には寒蘭や春蘭をおいています。
下段でも周辺部は比較的、乾燥します。
上段と下段には、合わせて約100鉢分の空きスペースを確保するようにしています。
棚に空きスペースがあると、植え替え等の作業がスムースに行えます。
従って、鉢数が増えないように注意しています。
殖えてしまったものは専門店に引き取ってもらったり、庭木に着生させたりしています。
冬は上段の植物を� �段の空きスペースに移動し、上段を空にしています。
冬は戸を閉めている関係で、温室の上部は昼間に温度が上がり易く、休眠に障害が出る恐れがあります。
人により、栽培環境は異なると思いますが、ちょっとした場所の違いで条件が変わってきます。
何も考えないで、鉢を詰め込んでしまうのはよくありません。
温室は薄いガラスやビニールで外気と接しているので、外気の影響を受けます。
昼間は太陽熱がこもり、外気より温度が上昇するので、換気して温度を下げる必要があります。
夜は外気の影響で、徐々に温度が下がり、明け方には限りなく、外気温に近づきます。
無暖房の温室では、冬の明け方近くには、かなり冷えます。
従って、高温を必要とする植物、例えば胡蝶蘭を無暖房の温室で栽培することは出来ません。
最近の住宅は断熱効果が大きく、無暖房の温室よりは、ずっと暖かですので、鉢数が少なければ室内に取り込んだ方が 結果が良いと思います。
さらに、室内温室でも用意すれば、寒さに対しては、万全です。
ただし、冬に休眠する植物の場合、温かすぎると逆効果になる場合もあるので、植物の特徴を良く理解する 必要があります。
鉢数が少なければ、温室は必要ありません。
風蘭、セッコク、シュンラン、古典園芸植物等は冬季に休眠するので、冬は無暖房の薄暗い部屋に取り込めば 大丈夫です。
寒さに関してだけ言えば、無暖房の温室より、住宅内のほうが、ずっと暖かです。
当地(静岡の平野部)では雨にさえ当てなければ、冬でも風蘭をベランダで栽培することも可能です。
その場合、最低限、雨避け、日除けの工夫は必要です。
ただし、斑入りの富貴蘭等の貴重品種や生育の弱い植物はは室内に取り込んだ方が安心です。
温室は植物専用のスペースとして確保されているので、鉢数が多い場合は管理が楽になります。
デジ絵をプリントアウトするのとは全然違う。
まあある程度上手い人ならエロ同人でも描いたほうが
よっぽど儲かるとは思うけど。